Special Edition
俺の目の前には振り袖姿のゆのが。
困惑の表情で俺を見る。
どうにかして欲しいのだろうが、
「はぁ~~い!!ゆの姫の出来上がり~~♪」
………手遅れだった。
「母さん!!」
「なぁ~~に?」
「ゆのは人妻だ」
「知ってるわよ、そんな事。母さんまだボケてないわよ~?」
「そういう問題じゃなくて!!」
「は……隼斗さ~ん…」
ゆのは涙目で俺を見る。
「無意識で誘うのはやめろ」
「さっ、誘ってなんかいませんよ////」
顔を赤く染めるゆの。
白地の綸子にピンクと薄紫とクリーム色の寒牡丹柄。
艶やかに振袖を着こなし、俺の視線を釘付けにする。
「あらあら~もうラブラブオーラ出しちゃって~」
「母さん!!」
「もう、そんな大声出さないで」
「ゆのは俺の妻になったんだから、振袖は可笑しいだろ」
「常識に当て嵌めたら、そうかもね?だけど…」
「だけど、何だよ?!」