オネェはしたたかに罠を張る
Prologue





斜め前の少し離れたデスクに彼(……)は居る。




カタカタと速い間隔で聞こえてくるタイピング音。


隙間から見える手は大きく角張っていて色っぽい。



視線を上げ顔を覗いてみると、思わず唸ってしまう様な形の良いパーツが絶妙な配置で並べてある。



柔らかそうな黒髪を軽く後ろに流して、仕事の時につけている銀フレームの眼鏡がこれまた厭味な程ハマッていて、無駄にカッコイイ。



いや、本当にカッコイイのよ。


長身だし、紳士だし、役職つきだし……。

これがモテる奴なんだ、って満員一致で納得しそうな典型的なイケメン。





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