天使の舞―後編―
この部屋、王の間の主。


即ち魔界の王は、イザヨイを見て、これ以上ない程に驚き、口をパクパクさせた。


「イザヨイ?何でここに?」


「アマネ様?
この方と、お知り合いなんですか?」


「え?あ・・・あぁ・・・。
シラサギ、ちょっと、悪い。」


アマネは曖昧に言葉を濁し、イザヨイの背中を隠すようにして、シラサギから見えない所まで、イザヨイを連れて行った。


回りをキョロキョロと伺う様は、普段のアマネからは想像できない姿である。


アマネは、愛しいシラサギを早々に妃に迎え、魔界の世代交代を終えた。


魔王となったアマネは、以前にもまして威厳を増し、コソコソと小声で話すこんな姿は、普段では考えられない。


「イザヨイ!
お前、何やってるんだ?
ヨゾラはどうした?」


「お兄様ったら、怒らないで。
あたしね、実はお願いがあって来ちゃったの。」


「来ちゃったの・・・じゃ、ないだろう・・・。」


アマネは、ため息混じりに、呆れた声を出した。


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