もしも愛が買えるなら
パソコン画面をじっと見つめていると、隣でリョウは言う。


「驚いた?」

「少しね。こういうの見たのは初めてだったから」

「俺は、これだよ」


リョウは自分を指した。

全部で100人くらいのホストの中で、真ん中くらいの位置に彼は載っていた。


「俺、まだ登録して一ヶ月も経ってないからさ。指名料金も安いし、ランキングも低い」

「ランキング?」

「そう。ランキングの高い順に、上から並んでるんだよ」


言われて良く見ると、顔写真の横に順位が付いていた。

リョウは62位。


「でも、今だって真ん中くらいだし。それに一番カッコイイもん! これから上がるでしょ」


あたしが言うと、リョウは悲しげに否定する。


「俺、自信ない」


リョウの淋しそうな顔を見たら、あたしは胸が痛んだ。


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