もしも愛が買えるなら
リョウの小さな溜息が、あたしの耳まで届いた。


「それにね、イイお客さんばかりじゃないから。辛い事もいっぱいあるし」

「うん」

「だからさ、どうせこの仕事するなら、料金もランキングも高い方がいいんだ」

「そうだよね」


あたしはリョウを励ましたくなった。

好きだから応援したい。


「ランクはこの二つだけ?」

「そうだよ」

「どうすれば、高い方のランクになれるの?」


その質問をすると、あたしを見つめるリョウの目が輝き出した。


「高い方のランクになるには、トップテンに入らなきゃダメなんだ」

「そっかぁ。じゃあ62位だと無理なんだね」

「当然だよ!」


リョウは小声ながら力を込めて言った。

あたしもネットカフェという場所を意識し、静かに話す。


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