もしも愛が買えるなら
唇を離したリョウは、照れたように微笑んだ。


「俺、凄く幸せ」

「あたしも」


あたしたちは見つめ合い、微笑み合う。


「あ、ピザが冷めちゃうね。ミユキ、食べなよ」

「うん」


ほんとはピザどころの気分じゃなかったけど、取り合えず一切れ取って口に運ぶ。

リョウもウーロンハイを飲んでいた。


「ねっ、ミユキ」

「ん?」

「投票だけどさ……いつ、振り込んでくれるのかな?」

「明日できるよ」

「マジ?!」


あたしは「うん」と頷く。


「じゃあ俺、明日からナンバーホストだね。マジ嬉しいよ」


ナンバーホストというのは、トップテン内のホストのことだ。

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