黄昏の出会い
「…その転校生が、何故ココにいる?」



男子生徒が警戒心丸出しで問い返す。




……そうだよ、
理事長室!!


「あの…!
理事長室、どこですか?」


「…何?」


「今…ココがどこかも分からなくて…。…迷ったみたいなんだ。」



…あ、目を細めた。

きっと呆れたんだろう。


ええ、
自分でもマヌケだって思いますよ。



でも初日に遅刻だけは避けたい…!



「………こっちだ。」


「お?」


男子生徒が私に背中を見せて歩き出した。



「……早くせぬか。」


「あっ…、
あぁ……。」


急かされて、慌ててついて行く。



…助かったけど……、


……無愛想だな、この人。


…私も人の事言えないけど。



* * *


男子生徒に大人しく付いていくと、すぐに理事長室に着いた。


「…中にいらっしゃるはずだ。」


「ここか……。」



くいっと顎で理事長室の扉を指し示す。


「ありがと…………っていないし…。」


お礼を言おうとしたら、すでに男子生徒はいなかった。



「……さて、と。」

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