Oh!
「亜美を悲しませたくないんだ。

幼なじみの頼みであったとしても断る」

「一途なんだね」

からかうように言ったあたしに、
「大事にするって決めてんだよ」

理人はフッと笑った。

おちゃらけているくせに、恋愛に関してはマメだ。

それは今も昔も相も変わらず。

あたしは息を吐いた後、カクテルを一気に飲み干した。

その後もいろいろとお酒を頼んでは、いろいろと飲み干した。

何でもいいから、忘れたかった。

何でもいいから、ごまかしたかった。

――自分の、当麻へのこの気持ちを。
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