一緒に秘密 -兄×妹-

私の体を離し、また、あの
イジワルな笑みを見せる。

その顔を私は再び、かっこよさ
を確かめるように見つめる。

二重でくりくりした大きな目の中は
深く吸い込まれそうな澄んだ茶色。

背が高く、スラッと細身な体だが、
部活で鍛えたほどよい筋肉。

もともとくせっ毛で瞳と同じ綺麗
な茶色に染められた髪の毛。

スーっと通った鼻筋に、薄くて、
形の整った唇。

そして、わんこみたいなこの笑顔

兄弟だったからあんまわかんなかった
けど、やっぱお兄ちゃんってかっこ
いいんだなぁ…。


私は、よく友達にあんなお兄ちゃん
がいて羨ましいと言われる。
でもそのたびに、完璧なお兄ちゃん
と比べられてる気がして、自分に
自信を無くしてしまう。

私だって…努力してるもん。


「どした?愛結。」

ボーッとしてたら、お兄ちゃんが
顔を覗きこんできた。

「な、なんでもないよー!ボーッと
してただけっ」

「お前、ドジなんだから気を付けろよ?」

と、お兄ちゃんは私の頭をぽんぽん
した後に「あっ!」と声をあげた。



 
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