PANSY~私の事を想って下さい~
ドアを開けると図書室独特の静寂な空気が流れていた。
テーブルの上に受付と書かれてあるプレートがあった。
でも、その場所には誰もいなかった。
「あの…先輩?」
「ん?」
ずんずんと奥へ向かう先輩を追いかけてなるべく小さな声で言う。
「酒井先輩は、用事があったんじゃないんどすか??」
「あー、まあね。勉強しに来ただけだよ」
「そーなんですか…」
先輩が手伝ってくれて、嬉しいけど…。
でも私、なんか邪魔じゃない?
絶対先輩の勉強の邪魔じゃん…
「…あの、酒井先輩!」
「しっ!」
“勉強の邪魔になるので帰ります”そう先輩に言おうとしたのに、先輩は自分の人差し指を唇に寄せて言った。