お願い…先生。

第十七話


『帰ろうか』


先生が声をかける。


『あ、うん』


態度…おかしくないよね??
どういう反応したらいいのか
わからない。


…初めてだったし。



『……俺で本当に良かったの??』




かああっ

頬があつくなる。


『うん』


下足を出ると
満月が見えた。


先生が横にいるだけで
こんなに心に余裕が出来るなんて…。


先生は
茉莉にとって
いてくれなきゃ困る、大切な人なんだね。


後ね、
茉莉。ちゃんと自分の気持ちに
正直になれた。


茉莉、やっぱり先生が好き。


『先生』


『ん?』


―チュ

茉莉は背伸びをして
先生の頬にキスをした。







―まさか見られてるなんて知らずに。


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