お願い…先生。
…先生、何も言わなかった…。

本当は山本先生と
行きたいけど
茉莉と約束してるから
迷ったの??

茉莉は
止まることなく
走って家に帰った。

―その一方であの二人は…。


『どうしたのかしら?』
山本先生は
茉莉の事を
心配した様子を
装う。

『………』

『…それでは失礼します。』
山本先生の言葉から逃げるように
去ろうとした。

『今週の日曜日、
予定空けといてね。』


『すいません』

『え…?』

『もう予定が入っていて…。』

『滝沢さん??』

『え?』

『滝沢さんと約束してるの?』

『………』

『な、なんであの子なの?
それに…。』

『…それに?』

『あの子は生徒ですよ。』
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