手を伸ばせば君が。
第一章 タオル



春なのに雨。

止むどころか更に勢いを増す。


「あー、最悪。」


俺は柊由(ヒイラギ ユウ)。


傘が無いので学校の門の所でただ立っている。


いつもなら、雨が止むまで待っているのだが、今日は急ぎの用事があった。



「しょうがねぇな。」



由は勢いよく門を飛び出してそのまま走った。




向かう先は病院。




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