手を伸ばせば君が。



暫くして、俺は夏実をこれ以上待たせるのもあれだろうと思い、部屋から出る事にした。



出る直後に葉菜が、


「またね。」


と、言った。



初めて会った人とこんなに仲良くなったのは初めてで、不思議と自分も嬉しかった。


そして俺も葉菜に、

「またな。」

って返した。



そんな些細なやり取りが妙に嬉しくて、自分でも顔がにやけたのが分かったので少し恥ずかしい気持ちもあった。





俺はこの時、葉菜にまた会いたいと思った。




< 8 / 30 >

この作品をシェア

pagetop