もっと美味しい時間  

「明日香、今晩は綾乃の部屋に泊まることになったから。お前に顔合わせにくいんだろう」

「まだ打ち解けたわけじゃないからね。もうちょっと時間掛かると思うけど、私頑張るから」

「俺も話してみるし、あんまり頑張るすぎるなよ。また倒れられたりしたら面倒だ」

「面倒……」

もうちょっと違う言い方ってもんがあると思うんだけど……。
不貞腐れて布団の中に潜り込むと、「まったく」と言った慶太郎さんが布団の中に入ってきた。
私の上に覆いかぶさるように乗ると、チュッとキスを落とす。

「なぁ、本当にもうどこも痛くないのか?」

お腹の辺りを擦りながら心配そうな顔をするけれど、その手の動き、ちょっとヤラシイ。
最近前にも増してお腹がポッコリしてきちゃってるから、そんなに触られるとこっ恥ずかしい。
これは本格的にダイエットしなくっちゃ。

「何考えてるんだよ? ヤリたくなったとか?」

「もうっ、どうしてそういうこと言っちゃうかなぁ。私は慶太郎さんと違って、いつも欲情してるわけじゃないの!」

「そうか。じゃあ欲情させてやるよっと!!」

と最後まで喋り終わる前に私をベッドの上でお姫様抱っこすると、すたすたと歩き出す。

「ちょ、ちょっとちょっと、どこ行くの?」

「風呂」

そうだよねぇ~、一緒にお風呂に入るの大好きだもんねぇ~。
もうこうなった慶太郎さんは、止められなくて……。
私はバスルームであっという間に素っ裸にされると、あっという間に欲情させられてしまった。



< 264 / 335 >

この作品をシェア

pagetop