オレンジ


なんだったの…あの夢…。


車にひかれたときだってことはわかる。


でも、あたしは実際にあそこまではっきりと運転手を見たわけではない。


なのに……なんで?


どうしてこんなに頭から離れないの?


ニヤっと笑った顔が脳裏をよぎる。


―――――怖い


怖いよ………………


「花夜!!大丈夫!?」


はっとして顔をあげると、目の前に香奈がいた。


「か…な……?」


「花夜…震えてる?」


「え?」


言われて自分の手を見てみると、自分の手とは思えないほどに震えていた。


「保健室行くよ!」


「ちょっ!?」


香奈が勢いよく引っ張ってくものだから少しびっくりした。


「先生!花夜を保健室につれてくから!!」


「お、おう……。内田、立てるか?」


「は…はい」


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