HELIOLITEー君と輝く音ー



そんな私の心情なんか誰にも分かるはずがなく。



「晴香!かなで!早く遊ぼ!」


「うん!ほら、かなで行くよ」



私の腕を引っ張り歩き出す晴香ちゃんに前を見ていられない。


だって、前にはヒーローとりんちゃんが居る。


彼らの視線を受け止まられる自信がないから。


同性の晴香ちゃんと望ちゃんならなんとか、耐えられたけど。


異性に見られるなんて。


俯き歩く足が止まる。



「おかもっちゃん、ヤバ…うべっ!」



りんちゃんのうめき声が聞こえ、続いてバッシャーン!と水しぶきの立つ音。


飛んだ水しぶきが腕や足に当たり冷たい。


何が起きたのかと顔を上げれば、海坊主の如くザバッと水から飛び出すりんちゃんの姿。


濡れた髪の毛が顔にかかりそれは一種のホラー。



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