【長編】Little Kiss Magic 3~大人になるとき~

思いがけない行動に唖然とする。

「廉がお前に何も話さないで護ろうとする理由が解かった気がする。
最後まで何も知らないまま護りきれるものなら…俺だってそうするかもしれないさ。
でも…不可能だ」

護る? そういえば安田さんもあたしを護るって言っていた。

ここ暫くの廉君の心配の仕方も神経質なくらいだった。

「廉がお前を愛すれば愛するほど、お前は狙われる」

「…な…どういう…こと?」

「廉はいずれお前を護りきれなくなる。お前を手放す以外に護る方法がなくなる時がきっと来る」

紀之さんの言葉の冷たさに背筋を冷たい汗が伝う。

あたしを見つめる視線は暗く翳(かげ)り、瞳の奥に哀しげな光が揺らめいていた。

「…廉もいずれ気付くときが来る。
お前に執着することは傷つけるだけだと。
あいつを好きならそれなりの覚悟をしておけ。
二度と見られないような顔になろうが、立ち直れないほどに傷つけられようが、俺は知らない」


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