【長編】Little Kiss Magic 3~大人になるとき~
彼は嘘をついているわけでも、あたしを脅しているわけでもないのかもしれない。
「…忠告はしたぞ。ジジイは邪魔になるものには容赦がないんだ。気をつけろ」
――大切な君に何かあったら、僕は一生後悔する
昨夜の廉君の台詞が大げさだと思ったけれど…
今は彼が心配していた理由が解かる気がした。
それでもあたしは…
「…たとえ傷ついても、廉君を好きになったこと後悔することは無いわ」
「お前…」
紀之さんは信じられないというように、目を見開いた。
「あたしにとって今日まで廉君と過ごした時間は宝物なの。
廉君のどんな表情も大切で、彼が必要だと思ってくれる限りどんなに傷ついても笑って傍にいる。
それが彼の為に出来る唯一のことだから」
「バカだな。終わりが来ると解かっていても…それでも想い続けるっていうのか?」
「あたしは見返りを求めて廉君を好きになった訳じゃない。
それに終わらせるつもりも無いわ」