噂の三兄弟と遠い約束【Berry's Cafe限定】

まるで、眠り姫だな。

でも、このままだと風邪引いちゃうし。


起こさないように気をつけながら、彼女の華奢な身体を抱き上げる。

そう、いわゆるお姫さま抱っこ。


「ん・・・りっちゃ・・・・・」


すると彼女の両腕が俺の首に回され、胸に頬を擦り寄せた。


「?!・・・雪稀、起きたのか?」


でも、返事はなくて・・・

ただ規則正しい寝息が聞こえた。

寝言、か。

小さく溜め息をついて、彼女を自分のベットに運ぶ。

そして、ベットに下ろし俺はソファにでも寝ようかと思っていたら


「ぃや・・・1人、しないで・・・」


なんて声が聞こえた。

もちろん、それは雪稀の声で。

参ったな。


「雪稀、俺を試してんの?」


なんて言っても、返事は無いわけで。

くしゃくしゃっと、まだ濡れたままの髪を掻き

雪稀を後ろから抱き締めるように

ベットに体を滑り込ませた。



「雪稀、愛してるよ。」




< 136 / 264 >

この作品をシェア

pagetop