アラサーの彼女が女子ゲーにハマる理由(わけ)
佐藤くんは私の方へ向き直ると、

「その頃の俺の周りにはさ、チヤホヤしてくれるヤツは一杯いたけど、あんな風に注意してくれるヤツっていなかったんだ…初めてだよ、佐川さんが。だから俺はそれ以来ずっと七三。仕事も絶対、手を抜かない。ありがとな」

と言いながら、私の手を取る佐藤くん

思わず、照れて下を向くと…

スッと頬に手を添えられて顔を上げられた

目の前には私をジッと見つめる佐藤くんの顔

「ねぇ、佐川さん。俺の事…どう思ってる?」








どうって…
普通だよ…
いつだって
普通だよ…
だって、佐藤くんじゃない
実は年上で驚いたけど…
実は御曹司で驚いたけど…
普通の佐藤くんにかわりないでしょ?
七三で
真面目で
たまに意地悪で…


なのに、気づくと
ドキドキが
止まらないの
佐藤くんが
女の人と一緒だと
嫉妬して…
私だって
隣にいたいのにって…
私が隣にいちゃダメなのって…
私だけを見てよって…



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