スクランブル・ジャックin渋谷

第四章 ワイルドジャック

モニタービルA
大画面に、5人の男性が登場した。

「ワイルド・ジャック」。ダンスユニットの、アイドルグループだ。
アイドルダンサーのヒロシがいる。巡査の宏と、同じ顔をしている。

ボーカルAが、前面に立って歌い出す。4人は、Aの背後で踊り出す。
ミュージックB、開始。

交差点
信号式ダンスで踊っている、宏。

渋谷駅を背にして、宏は急に踊りを止めた。
往来している人々。

制服を着た100人の男女の若者たちが、交差点内に残って、宏の後ろで一定の間隔を開けて整列する。

宏を中心にして、全員が正面を向く。

その他の通行人は、歩道上で立ち止まった。交差点内には、宏と100人だけがいる。101人だ。

真顔な顔で立っている、宏。
強烈な突風が、宏の顔と全身に当たる。

モニタービルAから、5人の歌が流れた。
宏は、踊り始めた。

背後の若者たちが、ぐるっと横に回ると従業員の制服に変身した。

渋谷百貨店、大江戸百貨店、渋谷駅駅員、スーパー渋谷、ハンバーガー店、渋谷の区役所職員、バス会社のドライバーとバスガイド、牛丼屋、ドラッグストア、渋谷北銀行の各10名、総勢100人が踊り出し始めた。

ワイルド・ジャックのAが、透き通るような声で歌っている。
ヒロシと他の3人が、Aの背後で踊っている。

踊っているヒロシ。
踊っている宏。

宏は、モニタービルAに映るヒロシと全く同じ踊りをしている。皆も、一緒になって踊っている。

本場アメリカのミュージカルのようなダイナミックなダンスが、渋谷の交差点で理由もなく、突然披露されている。
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