スクランブル・ジャックin渋谷
道元坂通り
 交差点手前500メートルの場所に、大型中継車がやってきた。

 その先は、踊り狂う群衆でもう進むことはできない。
 中から、久美子とカメラマンとディレクターが出てきた。

 久美子が、マイクを持っている。
 混乱した世界の先には、容易に進むことはできそうもない。

カメラマン「どうしようか?」

久美子「取材するなら、交差点の中心部に行きましょう」

ディレクター「おいおい、まじかよ」

久美子「他のテレビ局に、先を越されたいの。行くわよ」
 久美子は、強引に踊る群衆の中に紛れ込んで行った。

ディレクター「おい、久美ちゃん、危険だ。行ってはいけない」
 久美子は、群衆の中に消えて行った。

カメラマン「久美ちゃん、本当は踊りたいんじゃないのか」

 ディレクターとカメラマンは、顔をお互いに見合わせて、渋々と「行くか」と目で示し合わせた。

 2人は、仕方なく久美子の後を追うのであった。

交差点
 チークダンスを踊っている、宏と博恵。

 ピエールが、踊っている。
 道代とマスターも、参加し出した。2人で踊っている。

 踊り狂っている、5万人の群衆。
 ミュージックPが、終了する。

 博恵は、またモニタービルAを眺めている。

< 98 / 108 >

この作品をシェア

pagetop