虹になる日がきたら
「9」
「なんですか?」
「弱音を吐いてしまうまで気に病んでるんですか?」
軽く佐原には話した。
美鈴の事情は親にも話せない過去だったから少し。
「鞍橋君が熱を出す位だから」
「俺は何もしてやれない…高峰君のように友人ではないし、佐原みたいに上司でもない。
彼氏はこういう時どう「見守ってやるのが一番だろ?
自分で決着付けないとずるずる行く確率が高い」
「美鈴が浮気…あり得「人生を変えられたヤツですよ」
美鈴が…?
「なんて、鞍橋さんが一寿にぞっこんなのは明確だから大丈夫だな」
太一は間違った事は言わないけど……ぞっこんって…なぁ?
「今日は七に鞍橋さん任して…仕事に集中して下さい!
貯まってます。コレは今日中に宜しくお願いします。
私は用事がありますのでお先に失礼します」
「ははっ鬼だな」
その日、帰宅したのは夜中の1時で、美鈴のアパートに行こうとしたが止めといた。
次の日の朝、心配で少しだけ様子を見ようとアパートへ
「あっ、おはようございます副社長
微熱は有るけどなんとか平気です」
「すみません、ありがとうございます」
「いいえ、この間は私の事で色々お世話になってしまい…
美鈴、心配してましたよ?」
俺の心配?
「私の心配してる副社長が心配だって…美鈴は美鈴なりに昔と向き合おうとしてるから見守ってあげて下さい」
「太一と同じ事言うんですね……ふ~…わかりました。
ありがとうございます高峰さん」
何か軽くなった気がする
「…一君?」
起きてきた美鈴
「おはよう。気分は?」
「うん…七子の看病のお陰かなっ?昨日より大分いいよ」
「そっか。良かった…じゃぁ、私は会社に行くよ?何かあったら連絡して」
高峰さんは気を使ったかな。
「一君…ごめんなさい」
「何が?」
何に?
「でも、うん…頑張るから」
“見守ってあげて下さい”
「うん…頑張れ」
そして当日……
「美鈴、こっち」
俺は近くに早々とスタンバってます。