虹になる日がきたら
~一寿side~
晴斗さんや虹さんも知らない美鈴の過去は壮絶だった。
「その時にちょっと傷が付いて……もしかしたら…ごめ…ん」
もう子供が出来ないかもしれないらしい。
「子供が欲しくて美鈴と付き合った訳じゃないよ…跡取りとか?」
「一君…子供好きでしょ?」
「まぁ…でも美鈴が居てくれるなら…跡取りならそらが産めば良いし、その前に完全に産めない訳じゃないんだよね?頑張ろう?これから一緒に」
美鈴は号泣した。
いっぱいの“ありがとう”と“ごめんなさい”を言われた。
「んで?藤崎とはいつ話すんだ?」
「予定が合い次第って言ってた」
「…やっぱり俺は居ない方がいいと思うよ?
あっ、昔みたいな事になりそうとか思うけど…2人は昔の2人じゃないし、ちゃんと話したいなら俺は居ちゃいけない」
「…うん。
……じゃぁ、近くに居て?」
「あぁ」
「…」
美鈴が寝た後、ソファーで一人酒を呑んでた。
「はぁ…」
無意識に溜め息が出てしまう。
「……っ…」
あまりにも壮絶だったから頭がまとまらなくて涙が出てしまう。
「柊…俺は美鈴を幸せに出来てるのか?」
日取りが決まり日に日に美鈴の元気が無くなってきた。
「そんなに行くのが嫌なのか?」
「気が重いかな」
あまり考えすぎると熱がでるんじゃ…。
案の定、知恵熱が夜出た。
「鞍橋君は明日ゆっくり休んでください」
副社長命令と言わないと無理にでも出社しそうだな。
佐原の恋人とよく似てるよ!
「一人で帰れるか?」
心配したが
「七子が一緒だから平気…かな?」
そこに現れた
「お呼びですか?」
「入ってください」
「美鈴が熱があると聞いて」
「高峰さん、自宅まで宜しくお願いします」
「わかりました…帰るよ~」
本当に大丈夫か?
「人の恋人が信用なりませんか?」
「そうは言っていないよ」
「顔ににじみ出てます!」
苦笑うしかないな
「自分が出来ないから悔しいだけです」
「!?」
佐原が目を大きく開いた。