狼と子羊の物語



田中さんが辞任…?


「ゆっちゃん…?」



私は一刻もお父さんに確かめたくて


ーバンッ!!ー


「ゆっちゃん!!」



部屋を出て階段を降り


リビングまである長い長い廊下を



走った。


ーバンッ!!ー


「遊紗!?」



「ハァハァー…お、お父さんは…?」




リビングには兄愛澤 湊の姿しか見えない。



「親父?まだリビングには来てないよ?」




「そっか。」


まだ7時だもんね。


「あれ、お兄ちゃん今日休日なのに大学
?」



「まあね、今日中に報告書しあげなきゃ
ならないんだ。」


「そっか、大変だね。」


「まあ、大変だけど好きだからね」


ニコ微笑む姿は、とても可愛かった。



兄と私は、三つ離れている


おまけに、頭もよく優しくイケメンだ。


私達兄妹は、
疑いたくなるほど似ていない



「んー!さーて大学に行こうかな」











< 3 / 134 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop