おやすみ、先輩。また明日

でも、ヤンキー先輩と花火見たかったなあ。

人混みの中でこっそり、手なんか繋いじゃったりしてさ。


そんな願望を持つなんて、平和ぼけしてるかな。



だってもしかしたら、ヤンキー先輩と公園で会うのは、今日が最後になるかもしれない。


宇佐美先輩がヤンキー先輩の彼女になんて言うのかはわからないけれど、彼女が知ってしまったら?


彼女には知られなくても、ヤンキー先輩は宇佐美先輩に知られたことで、もう公園には来ないかもしれない。




「寂しい……」



でも、そうなったとしてもしょうがない。

わたしはそういう人を、彼女がいる人を、好きになってしまったんだから。


我慢するしかないんだよ。

この気持ちを捨てるくらいなら、わたしは我慢する方を選ぶ。




せめて、好きでいさせてね。









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