おやすみ、先輩。また明日



「すみません! 遅れました!」



息を切らして調理室に飛び込むと、もう部員はそろって席についていた。


今日は調理日じゃなくて、次作るものを決める話し合いの日。


1年のテーブルに行くと、山中さんは熱心に和食の料理本を開いて読んでいる。

勤勉で熱心で真面目だなあ。



「遅いぞ桜沢~」


「ごめん須賀ちゃん。掃除でゴミ捨てに行った男子がなかなか帰ってこなくてさあ」


「あ、それもしかして竹本? さっき2年の女子にへらへらしながら声かけてんの見たわ。フラれてたみたいだけど」


「竹本くん……」



どうりでしょんぼりしながら帰ってきたはずだ。


苦笑いしていると、準備室から神林先生が出てきて軽く手を打った。

< 264 / 356 >

この作品をシェア

pagetop