おやすみ、先輩。また明日


「よし、全員そろったね。じゃあ始めようか」



各班ごとに話し合いが始まってすぐ、部長がわたしの横に立った。

思わず勢いよく立ち上がる。



「部長! お久しぶりです!」


「ははは。元気いーね桜沢。どうよ調子は」


「なんとかやってます」


「そうかー。ま、無理しないでね。今日は須賀がどれだけ腕上げたか見てやってよ」



わたしたちの肩を叩いて、部長は戻っていく。

わたしが休んでいる間は、部長が須賀ちゃんの相談相手になってくれていたらしい。


こんなこと言うのは自分勝手だけど、須賀ちゃんうらやましい。

わたしも部長とレシピについて語り合いたい。



「須賀ちゃん、上達したんだ?」


「うっわー。部長ハードル上げるとかなしだよ~」


「あはは。じゃあ早速やろうか。何作るかもう決めてるの?」



うん。

やっぱりわたし、部活が好きだなあ。


独特の静かさと香りのする部室も好き。

自分の部屋より好きかもしれない。


なんていうか、落ち着くんだよねえ。

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