おやすみ、先輩。また明日


「元気ないじゃん。ま、もうすぐテストで調理日がないしね。
でも学生の本分は勉強だから。好きなことするなら、やることきっちりやる覚悟もないとね」



励ますように、ばしんと強く背中を叩いてきた手。

全然見当違いのことで励まされてるけど、元気がでた。


わたし、やっぱり部長のこと好きだな。


厳しいけど、正しくて、優しい。

料理も上手だし。




「わたし、部長みたいになりたいです」


「えー? 嬉しいこと言ってくれんじゃん」



少し照れたように笑う部長に続き、わたしも部室に入った。

逃げちゃいけないと、中にいた先輩たちの視線をしっかりと受け止める。


すると先輩たちの方から気まずげに視線を反らした。


山中さんはわたしのことなんて、見もしなかったけれど。












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