強迫性狂愛
2人で並んで歩いて、迎えに来ていた車に乗り込んだ。


「ねぇ、テスト終わったね」

「あぁ」

「今日のお昼ご飯何かな?」


昨日は、とびっきりおいしいパスタだったから

今日は――…


「お前は食べるのが好きだな」

「え?迅は食べるの好きじゃないの?」


人間最大の欲求じゃない。


「食べるものを制限されていたからな、あまり食事を好きだとか、楽しいと感じたことはない」

「そうなんだ…。迅の病気って何?アレルギーとか?」

「……まぁ、そんなところだ」


隣に座る迅の横顔を覗き見ながら

相変わらず、眉間の皺はなくならないけれど

迅の優しさが理解できるようになってからはあんまり、この顔も恐いと思うことも少なくなったように思えた。

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