強迫性狂愛

―――……



「――…百花ちゃん、大丈夫だった?」


その日の夜遅くに、功が俺の部屋を訪ねてきた。


「薬で落ち着かせてる」

「……そっか」


あの時の泣き叫んでいた百花の姿が、脳裏によみがえり、ただ黙っていると


「…唐揚げをしていた油が、原因だってさ」

「表向きの理由はいい」

「恐らく――…、迅の思ってる通りだよ」

「――…千華家、か」

「恐らく、ね…」


百花にどう説明すればいい…


あいつが目覚めた時にどう話してやればいいんだ。


眉を顰めて、軽くため息を零すと



「――…最悪の夏休みになったな…、百花ちゃん」


功の言葉に、俺は何の言葉も返すことができなかった。

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