強迫性狂愛
「寂しくなったら、メールなり電話なりしてちょうだい」

「…お母さん」


お母さんの顔が何度も涙で歪んで見える。


「お母さんはね、百花の幸せだけを祈っているから」

「……やだぁ…」


そんな優しい顔で、そんな永遠の別れみたいな言葉言わないで…。

ぼろぼろと涙が溢れてくる。

そんな私にお母さんは困ったように笑って、また…優しく抱きしめてくれた。


「大丈夫。大丈夫よ…百花――…ほら、お迎えよ」

「………」


お母さんの言葉に、ゆっくりと後ろを振り向いた。
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