強迫性狂愛
「…は、……ぁ」


ズルズルと非常階段の冷たいコンクリートに体を押し付けながら


恐い…


十河君が、恐い……


全てを見透かしているみたいで…っ、恐いよ…



「迅……っ!」


未だ、頬に当たる冷たい風を感じながら、駆け足で非常階段を後にした。



勢いよく、教室の扉を開けた先に紅に話しかける。


「紅…っ、迅は?」

「百花?…黒澤様ならさっき図書室に…」

「ありがと…っ」

「百花!?」


そのままバタバタと廊下を駆け抜けて、勢いよく図書室に飛び込んだ。

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