強迫性狂愛
「迅っ!」

「百花ちゃん?」


見渡した景色にいたのは、功さんで


「迅は…?」


未だどこか震える体を感じながら、功さんに迅の居場所を聞いた。


「迅なら、奥の部屋に…どうかした?百花ちゃん」


心配そうに眉を顰める功さんに曖昧に笑ってから、本棚が立ち並んだ奥にある扉を勢いよく開いた。


「迅……」

「んだ?百花かよ、」


扉を開いた先にいたのは海斗で、いくつかのファイルを持ったまま扉のそばに立っていた。


「お前な、扉を開ける時はもう少し…」


いつもなら、笑って返せる海斗の冗談も今は聞く気になれなかった。

そのまま、海斗の肩越しに見えたパソコンの前に座る迅に、勢いよく飛びついた。

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