強迫性狂愛



「はよ、迅。今日は百花は?いないのか?」



学園に着いてから昇降口で話しかける海斗の言葉を軽く無視して、功に話しかける。



「功」


「迅、今日は早いな。どうした?」


「あいつは登校してるか」


「あいつ?」


「十河 翔」


「まだじゃないか?いつも昼前に登校してくるの見るからな、…どうかしたのか?」


「いや…、」



俺が、功から視線を外すと



「よぉ、黒澤」


「………」


「―…百花は今日、休みか?」



俺の周囲へ視線を向けてから、あたかも百花を気遣うような十河に、無性に苛立つ。



「………」


「迅、俺先に行ってるな」



ポン、と肩を叩かれて、功と海斗が教室へと向かう。
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