強迫性狂愛
いない。


さっきまでいたはず――…


百花…?



無意識のまま迅が立ち上がったことに海斗と功も、迅の視線を追った。



その、視線の先には――…



バシャッンッ…

水の音と共に


「大丈夫?」

「宮原さんっ?」


溺れかけている百花の姿だった。


迅は、自分の体のことさえ気に留めず、勢いよく走って飛び込んで百花をプールから引き上げた。

青く紫色の唇をした百花に、迷わず口付けをした。



人工呼吸と言う名の――…接吻(くちづけ)を。
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