光に向かって…
月が言うには、
自分の声を聞きなさいと言う

月が言うには、ね

自分の声?

と聞き返す私

そう
世の中には
音が溢れてる
幸せの音
喜びの音
苦しみの音
悲しみの音
そして
愛の音

たくさんあるね、と私

ああ、まだまだあるさ
だけどね
それらの音を聞いたとしても
決して惑わされちゃいけないよ

惑わされる?

君の耳にたくさんの音が聞こえたとしても
決して
君自身を見失わないこと
いつだって
どんな時だって
ちゃんと
自分の声をまず聞かなきゃ

君が話したいこと
伝えたいこと
感じたことを
まず君が聞いてあげなきゃ
心の声をね

と月が言うには、







私は随分と心の声を聞いていなかった

聞こうとしていなかった

心を防音壁でガードしていた

どうりで聞こえない訳だ

一つ一つ
心の防音壁を
取り除く

するとー

冷たい夜風が心をすり抜けた

不思議と心は暖かかった

月が笑った気がした






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