【完】アタシは3代目。


-咲side-


「あなたの目的は何?」


薄暗い倉庫のような建物の中、あたしは目の前に聳え立つ人物に問い掛けた。


「あたしの目的?そんなの決まってるわ。大くんを、あたしに返してもらうことよ」


そう言って、不気味に笑う。


「大地に、どんな思い入れがあるの?」


あたしはまた、目の前の人物に問い掛けた。


「気安く呼ばないでちょうだい!」


彼女がそう言った瞬間、あたしの頬がパチンとなった。


「もうそろそろ黙った方がいいんじゃない?大門咲」

「ふふふ。由樹、ご苦労様。やっと黙ってくれたわ。この泥棒猫さんは」


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