【完】アタシは3代目。


倉庫の入り口に近付くと、由樹が立っていた。


「由樹、何してる?」


俺が話し掛けると、一瞬驚いたような顔をした。


「由摩と3代目の殴りあいをみてる」


そう言って、楽しそうに笑う由樹。


コイツ絶対、頭おかしいぞ。


「大地も見てみろよ。すっげぇ、面白い」

「由樹、変わったな」

「何が?」


何がって…


「昔は、喧嘩なんか大嫌いだったのにさ」


俺がそう言うと、また笑った。


「由摩を見てたら、喧嘩が楽しそうに見えてさ。今では、すっげぇ好きになった」


やっぱ、由摩が原因か。


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