追憶の淡恋詩
そんな花火が終わり、周りの人々は次々といなくなっていく。
周りと見るとちらほらとカップルが存在しており、男共は私と同じ事を考えているのだろうか・・・と勝手に思っていた。




爽やかな海からの風を受けながら、私達は言葉は交わさずに実にゆったりとした時間が流れていた。


私は「彼女は今何を考えているんだろう」と思っていた。
実際に聞いてみてもよかったが、正直に答えてくれないのは分かっていた。



私は実に自然に、そしてスマートに彼女の肩に手を回す事が出来た。
それと同時に彼女は私にもたれかかってくる。





まずは最初の関門をクリアした。
次は彼女の顔を私に向けなければならない。


とりあえず、私は彼女の頬にキス。
しかし髪の毛が邪魔だ、すばやくどかしてもう一度キス。
しかし彼女に反応がない。


調子に乗って耳を軽く噛んでみた。
ようやく彼女が反応した。




「なにしてるの~?」




と、笑って言ってきて彼女の顔が私に向いた。
私は「いや、別に」と言った瞬間、一気に彼女のクチビルを奪った。

すると彼女は一瞬で動きが止まり、私に身をゆだねていた。



一度、クチビルを離して彼女は「人に見られるよ」と言ってきたが、私はそれに答えずにかまわず再度キスをする。


最初は浅くキスをし、少しずつ深いキスに移っていった。
彼女も私の意志に自らの舌で答えてくれる。

お互いの舌はほどけないほど絡み合っていた。




キスの後、彼女は私と目を合わせてくれない。
恥ずかしいのか、ずっと私の胸に顔を埋めていた。



私的にはこれ以上の事を期待していたが、さすがにここでは出来ない。

この時のクチビルの感触と彼女の香り、いつまでも残っていたのは言うまでもない。
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