不器用な恋人【短編】
「来週って、暇な時ある??」





まだ少し汗ばんだ体のまま、腕まくらをしてもらう。





「来週??ん~、わかんねえ。なんで??」


「ん、なんとなく聞いてみただけ」





私たちはいつも次に会う約束などはしない。




ただ、たまに今日暇だな…って思う時にメールをするし、真樹からもくる。




予定があれば返信などしないし、こない。




お互い時間が合う時にメールのやりとりをして、
その晩に居酒屋などでアルコールを飲み干して、
今日みたいにホテルへ来る。







彼氏彼女みたいにお互い“干渉”しないから“束縛”もない。







こんな関係、終わらせようと思えばいつでも終わらせれるの。




そう、束の間の夢のように

簡単に…

あっという間に…。





でもね、自制心を掻き立ててまで続けてる理由はただ一つだけ。







私は好きなんだ、真樹が。
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