姉さんの友達はフランケンシュタイン 孝の苦労事件簿②
忘れていたわけではないが、危機意識が日に日に薄れていったのは、
紛れもない事実だ。
だから、エリアルの牙の痕を隠しもせずに、平気で外を出歩いてしまったのだ。
そして、吸血鬼の存在を裏付けるような痕跡は、
何があっても隠さなければならなかったのに。
小夜子は、首筋の傷に触れた。
ちりちりとした表面の痛みと、鋭い内部の痛み。
彼女はわざと、爪を立てた。
そうでもしなければ、とても普通にしてはいられなかった。