先生が私の名を呼ぶ時~ココロに差した光~
First

新しい先生




―――…退屈。


いつもと変わらない教室、いつもと変わらない世界。


刺激が欲しい?ううん、そんなんじゃない。ただこの世界が色あせて見えるだけ。
  
                
濃い化粧も、やけに露出した肌も、全てあの人を思い出す。気持ち悪い。


こんなの女として終わってる?そういわれてもおかしくないかもしれない。


「きゃははは」「うっざ!!」「つーかさぁ」


はぁ、イライラする。


「大丈夫ー?顔色悪いよ。」


ううん、一番イライラするのは・・


「・・うん。大丈夫だよ」


作り笑いをつくる自分自身。


「ってかさ!今日の数学まっちゃんだよ~」
   
          
「うっそ!?最悪ー。ねぇ、円?」


河内円(かわうち まどか)それが私の名前


「ほんと最悪だね」


ははっと乾いた笑いが漏れる。疲れたなぁ・・・


キーンコーン・・というチャイムとともに、世界史の先生があわてた様子で入ってきた。


「えー今、・・数学の松林先生が・・・突然倒れたそうなので・・、今日の数学は自習ですっ・・!」


ぜえぜえいいながら話すとすぐさまどっか行ってしまった。息ぐらい整えたらいいのに・・・・・。


私はその様子を気にもせずに外をぼんやり眺めていた。




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