Memory~記憶の欠片~
思い出した……。
私は浮き世離れした顔立ちや両親がいないことでよくいじめられてた。
家に帰っても親戚のおばさんたちとはぎこちなくて泣けなかった。
だから、いつも神社の裏に行って1人で泣いてたんだ。
でも、菊理媛がいつも私を慰めてくれた。
“あなたは悪くないわ”
って、いつも慰めてくれたから頑張れた。
菊理媛といると安心出来るし懐かしくて、幼い頃の私にとってお母さんみたいな存在だった。
その時、周りが光に満ちて白くなった。
眩しくて瞼を閉じてしまう。
目を開けると菊理媛が立っていた。
「忘れてごめんなさいっ!!」
私の瞳からは自然と涙が溢れてくる。
菊理媛が近付いてくる。
「あなたは悪くないわ。思い出してくれてありがとう」
そう言うと私を抱き締めて頭を撫でてくれた。
「うっ……んっ……」
私は菊理媛に縋るように抱き付いて泣いた。
記憶を失ってからの一週間の不安や戸惑い、思い出せない自分への苛立ちが涙となって溢れ出る。
菊理媛は何も言わずに私が泣き止むまで抱き締めていてくれた。