もう春は来ない
「あれ?見てみ、アイツじゃね?」
「あん?」
その声に釣られ、僕はそこに目を移した。
川沿いを抜けると見えてくる、少し古びた棟が立ち並ぶ市営団地。
その棟の合間に作られた小さな公園には、錆びたブランコが一つだけ。
近頃じゃ、そこに住む子供たちも、少し離れた場所にある大きな公園で遊ぶ様になり、子供たちで賑うだろうこの時間にも、ほとんど人影がなく。
だから、僕らにはすぐわかったんだ。
ソコにキミがいることを。