七番目の悪役



午後1時にて


「さぁさぁ、楽しい楽しいフィマーレサーカス団の始まりだよ。」


中世ヨーロッパのような町中にある広場に金曜日だけ始まるサーカス団。
名をフィマーレサーカス団。

赤い鼻に白塗りに涙のマークのおどけた顔で会場を沸かすピエロ。
魔界から連れてきた猛獣を使いこなす猛獣使い。
綱渡りやトランポリン、空中ブランコなどを決める双子の姉妹。
他にも人間ピラミッド、玉乗りなど芸を披露するフィマーレサーカス団。


その裏ではーーー


「次は大玉乗りだ!急げ!時間がいなぞ!」


慌ただしく準備が進んでいた。
メイクをした団員が演技の確認をしたり次の準備をしたりしてとても忙しそうだ。


「わぁ・・・忙しそうなのだ。」


天幕の天井に身を潜めていたセシルは初めて見るサーカスに興味津々だ。


「あ、居たのだ。・・・でも魔界にいるのヤツより小さいのだ。」


魔界にいるライオンは檻の中にいるライオンの2倍ぐらいの大きさのを普段から見ているため子供かと思うほど小さく見える。


「・・・行くのだ。」


そっとライオンの檻の裏に降りる。
ライオンは呑気に寝ていてセシルに気付かない。


仕込んでおいた武器で檻の南京錠を壊す。
サーカス団員は出る準備に忙しそうで誰もライオンの檻が開いていることに気付かない。




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