七番目の悪役



「ロイド・・・あのうさぎはお前?」


「はい。貴女に助けて頂いたうさぎです。あの時はありがとうございました。それでお礼をと思いまして。」


ロイドは丁寧で上品な仕草で言った。


「い、いやいや!そんな大したことしてないのだ!」


人生で一度も他人にお礼や恩返しをされたことがなかったセシルはただ戸惑っていた。


「いえ、お礼をしないと私の気が収まりません。それで貴女のことを恐れ入りますが観察させてもらいました。そして分かりました。貴女が欲しいものは


・・・''自由''だ」


ーーパッチン


ロイドが指を鳴らす。
スッと不思議な浮遊感が体全体を包む。


ああ、落ちてるーーーーーー


本当に怖い時は声が出ない。
悲鳴を上げたくても上げられない。


「セシルッ!」


ゆっくりと隣を見るとフランが同じように暗い穴をすごい速度で落ちている。


「フラン!」


懸命に手を伸ばすが風圧で思うようにフランの手に触れられない。


ーーギュ


やっとフランの指先に触れそこからゆっくりと指を絡める。


フランに触れると何故か今まで不安でいっぱいだった心が軽くなった。
心が軽くなったおかげで冷静になれた。


ロイドがいない。
多分原因のロイドの姿が見えない。
周りを見渡すとセシルとフランの二人が余裕で入るくらいの大きさのトンネルのようだ。


暗くて先が全く分からない。
うつ伏せの大の字の状態でいつまで続くか分からない穴を落ち続けている。



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