腹黒年下くんの甘い罠。



侑李くんじゃないんだ。

残念だな.....


え?


おいおいこれじゃまるで侑李くんに居てほしかったみたいじゃないか。

それって....


「彩華先輩?聞いてます?」


「ごめん。多分聞いてない。」


どうやら私の世界に浸っている間に淳太くんが何か話していたみたいだ。

淳太くんは困ったように笑ってもう一度言ってくれる。


「侑李、熱があったみたいでぶっ倒れちゃいまして。五時間目の終わりに帰っちゃったんですよ。で、彩華先輩にお願いがあるんです。」


「私に?」


「はい。」


侑李くん熱あったの?

朝も昼休みも普通だったのに?


「アイツ、多分彩華先輩のことが心配で無理して来たんだと思います。」


カバンの中から封筒を出している淳太くん。


その言葉に思い当たる節がある。


そう言えば朝一番に紙のこととか聞いて来た。









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