瞳の向こうへ
周囲を気にする余裕あるんだったら早く抑えろってことだよね。

気合い入れ直してこの後のバッターを抑えて二点でくい止めた。

自分でもわかった。投げすぎたなって。

何とか修正しないとーー。

……ウソでしょ!

俺たち側のベンチの最前列に加奈子らしき女の子がいた。

走りながらちらっと見ただけだけど、似すぎてる。

スマホに夢中で俺たちにはまるで眼中になかったけど。

ベンチでみんなから声をかけられたけど、せっかくの励ましもこの真上に観戦してる女の子が誰なのか非常に気になってどうしようもない。

もし加奈子だったら、相良先輩に途中経過を……。

よし!一切見ないようにする。

余計なことは考えず、投げることに集中だ!!

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